Columnコラム

2週間で変わった。Cornellの復権——Road to Championship Weekend|Week 7

2週間前、CornellのラクロスチームはPenn Stateに19-7で叩きのめされた。ゴールを19本も奪われ、反撃できたのはわずか7本。「今年のCornellは厳しいか」——そんな声が漏れた試合だった。だが、チームはそこで終わらなかった。Week 7のフィールドで、Cornellは答えを出した。ラクロスマガジンジャパンでは、今季のNCAA D1シーズンをWeekごとにピックアップ。注目ゲームの戦評と翌週の見どころをお届けする。

Week 7(3/21〜3/23)Pick Up ゲーム

Cornell 13 vs 11 Princeton|7年連続の勝利。復活は、本物だった

1Q 2Q 3Q 4Q FINAL
CORNELL 5 4 3 1 13
PRINCETON 4 2 4 1 11

ニュージャージー州Princeton

 

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スタンドには、去年このチームを卒業した選手がいた。

CJ Kirstという選手だ。NCAA歴代最多得点記録をもつ彼は、Cornellのユニフォームを脱いだ今も、後輩たちの試合を観に来た。後輩たちが見せたのは、自分たちが積み上げてきた伝統の続きだった——CornellがPrincetonに13-11で勝利。この因縁のライバル対決で、実に7年連続の勝利を飾った。

Penn Stateに大敗を喫してからわずか2週間。チームは確かに別のチームになっていた。

この試合を制した男——ゴールキーパーの奮闘

ラクロスでは、ゴールキーパーが試合の流れを変えることがある。この日のCornellのゴールキーパー、Matthew Tullyがまさにそうだった。

15本のセーブ(シュートを止めること)。特に最終クォーターでは、Princetonの猛攻を4本連続で食い止めた。倒れ込みながら止める、体を投げ出して止める——スタンドがどよめく場面が何度もあった。ゴールを守るだけでなく、ボールを奪い取ってチームに流れを引き寄せることもあった。

「ディフェンスの選手たちが本当によくやってくれた。自分はその後ろで見ているだけでよかった」——ゴールキーパー Matthew Tully

前半終了直前の「一撃」

試合の流れが決まったのは、前半が終わる8秒前のことだった。

Princetonがボールを失い、Cornellが素早く攻め上がる。ゴールキーパーからパスをつなぎ、最後はRyan Goldsteinがゴールを決めた——ほぼ同時にハーフタイムのホイッスルが鳴った。

追いかける側にとって、こんなに気持ちが萎えるゴールはない。たった1点でも、心理的な重さは計り知れない。

後半——追いついては突き放されたPrinceton

後半に入ると、Princetonが動いた。連続ゴールで一気に詰め寄り、スタジアムの雰囲気が変わりかけた。

しかしCornellもすぐに3点を立て続けに奪い返し、12-8と突き放す。最終クォーターで再び2点差まで追い上げられたが、そのたびにゴールキーパーが立ちはだかり、最後は攻撃陣がダメを押した。13-11。

Cornellはこの日、9人の異なる選手がゴールを決めた。一人の選手に頼るのではなく、チーム全体で点を取る——それがこのチームの強さだ。

「誇りに思う。きれいな試合ではなかったけれど、大事な場面でプレーを決め続けた」——Cornell ヘッドコーチ Connor Buczek

Princetonも決して弱くはなかった。エース選手のケガという事情を抱えながら、最後まで食い下がった。それでもCornellには、土壇場で勝つ力があった。

Cornellはアイビーリーグ(ハーバードやPrincetonなど、米東部の名門大学が加盟するカンファレンス)の首位に立った。「週を追うごとに成長している」——コーチの言葉は、今週、証明された。

Week 7 その他の注目結果

Penn State 10 vs 6 Maryland|疲弊したライバルに、容赦なく

1Q 2Q 3Q 4Q FINAL
MARYLAND 2 1 1 2 6
PENN STATE 5 2 0 3 10

University Park, PA

 

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Marylandには、ハードな1週間があった。

先週、Virginiaとの試合は3回の延長戦にもつれ込み、ようやく1点差で勝利。しかしその激闘の中で主力選手がケガを負い、今週の試合を迎えた。消耗していた。

Penn Stateは容赦しなかった。第1クォーターだけで5-2と飛び出し、その勢いのまま最終スコアは10-6。主力を欠いたまま戦うPenn Stateが勝利し、ビッグテン(米中西部の有力大学が加盟するリーグ)の開幕戦を白星で飾った。

Marylandにとっては、ケガを負った選手の回復具合がこれからのシーズンを左右する。

Kessenich Top 20|Week 7

アメリカのラクロス専門メディア・Inside Lacrosseの人気アナリスト、Quint Kessenichが毎週発表するランキング。単純な勝ち負けだけでなく、「どう勝ったか」「誰に勝ったか」を重視する独自の評価が特徴だ。全勝(8勝0敗)のDukeが7位に留まっているのがその証し——「まだ強いチームと戦っていない」という一言が全てを語っている。

Kessenich Top 20|Week 7

順位 チーム 戦績 コメント
1 Notre Dame 6-0 今週は試合なし。来週からACCリーグ戦が始まる
2 Richmond 8-0 21-7の大勝。チーム全体で点を取る攻撃力が際立つ
3 Harvard 7-0 雨風の中で17-14。エースが通算100ゴールを達成
4 North Carolina 8-1 相手の16連勝を止めて12-11で勝利。若手の台頭が光る
5 Syracuse 18-12で快勝。エースが歴代2位の得点記録に並んだ
6 Penn State Maryland に10-6。主力欠場のまま白星を重ねている
7 Duke 8-0 全勝だが強豪と当たっていない。来週こそ真価が問われる
8 Cornell 5-2 Princeton に13-11。GKの奮闘と底力でIvy League首位へ
9 Ohio State 8-1 延長戦で6-5のきわどい勝利。攻撃の物足りなさが続く
10 Princeton 5-2 Cornell に惜敗。GKの奮闘も7年連続黒星の流れを変えられず
11 Georgetown Syracuseに大敗。リーグの自動出場枠を取ることが至上命題に
12 Johns Hopkins 14-8で快勝。名門が1年ぶりにビッグテンで白星を挙げた
13 Maryland Penn Stateに6-10。主力のケガがシーズンの行方を左右する
14 Denver 2連敗中も守護神はKelly Award(最優秀GK賞)候補。リーグ戦へ
15 Penn 4-4 9-7で勝利。新監督体制でリーグトーナメント出場圏内へ
16 Rutgers 7-3 ホームで延長負け。上位進出には攻撃力の底上げが必要
16 Saint Joseph’s 5-2 17-7の快勝。このシリーズ9連勝と勢いは止まらない
18 Virginia 4-4 16-11で快勝。今年の全米選手権の開催地でもある本拠地が舞台
19 Boston U 敗戦でリーグ混戦に。残り5週の積み重ねが全て
20 Sacred Heart 8-0 18-6で全勝を維持。3シーズンで33勝8敗の安定感

※ 戦績・順位はKessenichランキング発表時点。「—」は記事内に戦績記載なし

Next Week(3/28〜)注目カード

Notre Dame @ Virginia|ESPNU中継、無敗チームがアウェーへ

3/28(土)・日本時間 1:00am / ESPNU

Notre Dame vs Virginia

Charlottesville, Va.

6戦全勝のNotre Dameが、ACCリーグ戦の初戦としてVirginia大学のホームへ乗り込む。Virginia のグラウンドは天然芝——全米でも珍しい環境で、どちらが強さを発揮できるか。ESPNU(アメリカのスポーツ専門チャンネル)で中継される注目の一戦だ。

Duke @ Syracuse|ESPNU中継、全勝チームの「本当の実力」が試される夜

3/28(土)・日本時間 3:00am / ESPNU

Duke vs Syracuse

ニューヨーク州Syracuse

8戦全勝のDukeが、Syracuse大学のホームアリーナ(屋内スタジアム)に乗り込む。7200人が詰めかける熱狂的な雰囲気の中で、「強豪と戦っていないから評価できない」という見方を覆せるか。Dukeにとっては、今季初めての真価が問われる試合だ。

Ohio State vs Penn State|ビッグテンの主役争い、Columbus で決着へ

Maryland を退けて波に乗るPenn Stateが、Ohio Stateのホームへ乗り込む。どちらも守備が強く、接戦が予想される。主力を欠いたまま連勝できるか——ビッグテンの勢力図を決める大一番だ。

Cornell vs Yale|アイビーリーグ首位の証明

首位に立ったCornellが、同じアイビーリーグのYaleを迎える。「週ごとに成長している」という言葉が本物かどうか、ここでまた問われる。


スタンドでCJ Kirstは何を思っただろうか。後輩たちは、先輩が積み上げた伝統を守り、さらに前へ進んだ。Cornellの「復権」は、まだ始まったばかりだ。

※本記事は Inside Lacrosse の記事を参考に作成しています。

Text by ラクロスマガジンジャパン編集部

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