Interviewインタビュー

【Inside JLA コラム】【全クラ1回戦特集①】「FAMILY」が生む居場所と強さ──Ardito、九州地区初の連続突破へ

~各支部のクラブチームってどんなチーム?(中四国・九州支部・男子編)~

2025年11月8日(土)・9日(日)に行われる「日清食品presents第26回ラクロス全日本クラブ選手権大会」の第1回戦に出場するのは、北海道、東海、関西、中四国・九州の4支部の優勝チームです。このコーナーでは各支部から出場するチームの見所をお伝えします。

第1回 中四国・九州支部(男子)からはArdito


【Ardito試合情報】

日時:2025年11月8日(土) 12:00 フェイスオフ
場所:オクゼン不動産フットボールスタジアム(県営春日公園競技場)(九州会場)
対戦相手:未定(関西支部)

日清食品presents第26回ラクロス全日本クラブ選手権大会 特設サイト

1回戦のライブ配信はこちらから

1回戦のチケットサイトはこちらから

※サイト開設後、お知らせいたします(LACROSSE MAGAZINE JAPAN編集部)


中四国・九州支部(男子)からは、Ardito(アルディート)が「日清食品presents第26回ラクロス全日本クラブ選手権大会」に出場します。どんなチームか、見所はどこかArdito主将#7中嶌友輝さんにお聞きしました。

Ardito集合写真(2025年10月5日撮影)

全クラには2大会連続5回目の出場

Arditoが全日本クラブ選手権大会(以下、全クラ)1回戦に出場するのは、2大会連続5回目です(※1)。

【ラクロス全日本クラブ選手権大会 歴代出場チーム 中四国・九州支部(男子)】(※1)

クラブ選手権
支部リーグ戦
出場チーム(1位) 出場チーム(2位) 会場 対戦相手(2位) 対戦相手(1位) 支部 1回戦戦績
2012 14 1 FERVIENTE BARBARIAN LIGHTS 広島広域公園第2球技場(広島) / 鶴見緑地球技場(大阪) ARM ARTISTA OPEC VORTEX 西日本 7-10 敗退 / 2-15 敗退
2013 15 2 FERVIENTE BARBARIAN LIGHTS ツネイシしまなみビレッジ(広島) / 金岡公園陸上競技場(大阪) OPEC VORTEX ACL 西日本 5-17 敗退 / 2-18 敗退
2014 16 3 BARBARIAN LIGHTS 金岡公園陸上競技場(大阪) ARM ARTISTA 西日本 5-14 敗退
2015 17 4 FERVIENTE BARBARIAN LIGHTS びんご運動公園陸上競技場(広島) / ヤンマーフィールド⾧居(大阪) HELP ACL 関西 8-12 敗退 / 6-12 敗退
2016 18 5 BARBARIAN LIGHTS 金岡公園陸上競技場(大阪) ACL 関西 6-18 敗退
2017 19 6 Ardito ヤンマーフィールド⾧居(大阪) ACL 関西 1-26 敗退
2018 20 7 Ardito 江戸川区臨海球技場(東京) ACL 関西 3-13 敗退
2019 21 8 Ardito 防府市スポーツセンター(山口) ACL 関西 3-4 敗退
2020 特 別 大 会
2021 22 9 BARBARIAN LIGHTS 岡山総合グラウンド補助陸上競技場(岡山) HELP 関西 5-8 敗退
2022 23 10 FERVIENTE 鶴見緑地スタジアム(大阪) GOLD ZEALER 関西 3-7 敗退
2023 24 11 FERVIENTE 鶴見緑地スタジアム(大阪) ACL 関西 5-8 敗退
2024 25 12 Ardito 大井ホッケー競技場サブピッチ ACL 関西 7-5 準決勝進出
2025 26 13 Ardito オクゼン不動産フットボールスタジアム 関西

オトナが貪欲に勝利に向き合う姿を見てほしい

Arditoが出場する全クラ1回戦会場は「オクゼン不動産フットボールスタジアム(県営春日公園競技場)」(九州会場)です。

九州会場(福岡県春日市)ということで、Ardito主将・中嶌友輝さんに九州地区の大学生へメッセージをお願いしました。

「九州地区の大学生の皆さんは、練習試合などでArditoを知ってくれていると思いますが、関西突破がどれだけ難しいことであるか、関西のクラブチームがどれだけレベルが高いのか見ることのできる機会です。みなさんにとって、Arditoの選手はいつも接しているオトナたちだと思いますが、そのオトナたちがどれだけ貪欲に勝利に向き合っているか目の前で見てほしいので、是非、会場へ足を運んでほしいです」。

大学生のときから入団したかったチーム

中嶌さんは、西南学院大学卒業という九州地区の学生リーグを経てArditoへ入団しましたが、大学生のときから、「このチームに入りたい」と思っていました。

Arditoが西南学院大学のグラウンドを使って練習していたのを大学生だった中嶌さんが見て身近であったことに加えて、九州地区では断トツに強いチームであることも魅力でした。

「Arditoは、転勤で九州地区へやってくるプレーヤーが多く、関東学生リーグ1部でプレーしていた選手もいます。入団すれば、より高いレベルのラクロスができると思っていました。Arditoはずっと強いチームというのが僕のなかにあったし、尊敬する先輩が入団していたこと、(自身の)仕事も福岡なのでArditoで絶対やりたいと思っていました。

Arditoはとにかく強いチームであってほしかったし、僕もそこで活躍したいと思ってきました。

いまでも、九州地区の学生と対戦するときは絶対負けちゃいけないなと思いながらプレーしています」。

昨今のArditoは転勤族だけでなく、九州地区の卒業生も多くなりました。今年の新入団メンバーにも、(大学生のとき)Arditoとたくさん練習試合をして、お世話になったからと入団してくれたメンバーもおり、九州地区の大学生との交流が新メンバー獲得に繋がっています。

スローガン「FAMILY」

中四国・九州支部決勝戦での様子 (2025年10月5日撮影)

中嶌さんは入団3年目である今年、主将に就任しました。

「去年は、『今までを越える』ということで『OVER』をスローガンを掲げていましたが、僕が主将になって『FAMILY』に戻したんです」。

戻した、と中嶌さんの言葉にあるように『FAMILY』はこれまでずっとArditoのスローガンでした。

「今年度は、4年主将を務めた蓮見航太(#74 MF)さんから僕に主将が代わったり、コアだった選手が抜けたり、新メンバーが多く入団したり、昨年とは状況が変わってきています。だから、もう一度『FAMILY』にしようと思いました。Arditoはラクロスをするときも、ラクロス以外でも、『そこに行けば居場所がある』というチームでありたい。状況が変わるなかでもう一度『FAMILY』を見つめ直したいと思いました」。

「打倒関西」

前大会(2024年度)の全クラ1回戦では、「打倒関西」「九州地区初の1回戦突破」を掲げて、関西支部から出場したACL(エーシーエル)と対戦、7-5で勝利、「九州地区初の1回戦突破」を達成しました。

今大会も関西支部のチームと1回戦を戦うことになっており、「打倒関西」を掲げています。

関西支部と戦うにあたり、気になるのが試合数の違い。

関西支部1部リーグ戦は4チームがホームとアウェイで2試合ずつ6試合。中四国・九州支部リーグ戦は3チーム1試合ずつ2試合。中四国・九州支部と関西支部とのリーグ戦試合数の違いをどう乗り切っているのでしょうか。

「試合数の差は毎年の課題です。どうしようもないことだと思っています。ただ、昨年は、相手チームの分析と少ない練習試合の中での戦術理解を深めるミーティングを行いました。分析やミーティングに時間を割くことについては、他のどのクラブチームよりもやったと思っています」。

また、公式戦の少なさは九州地区の学生チームとの練習試合やスクリメッジなどで補填しています。

中四国・九州支部決勝戦でINFINITYゴールへ向かう中嶌さん(2025年10月5日撮影)

一回戦突破後の東日本支部への対策

前大会(2024年度)の1回戦突破後の準決勝では東日本支部のFALCONS(ファルコンズ)と対戦しました。「打倒関西」後のことは想定していたのでしょうか。

「正直、準決勝へ進出して東日本支部のチームと試合をするための準備はしていませんでした。

1回戦突破後、僕は副主将だったので幹部ミーティングに参加し、準決勝をどう戦うか話し合いをしました。

関西を倒したときと同じように、メンバーを絞って本当に勝ちにいくか、ケガなどで試合に出ていなかったメンバーを少し出すようにシフトチェンジするか迷いました。

幹部でもありケガでそれまで試合に出られなかった選手から、『ふざけんなよ。ここまできてお情けで出させてもらっても困るよ』と言われました。

確かに、ここまでやってきて、本気で勝ちにいかなければ負けたチームにも失礼になると幹部で反省をし、翌週の全体ミーティングでメンバー全員に再確認し、関西戦同様『勝つぞ』という意気込みでスカウティングと分析をしてFALCONS戦に臨みました」。

結果、Arditoは5-14でFALCONSに負けたのですが、FALCONSに本気で臨んだ経験は今大会にも生かされるのではないでしょうか。

九州地区の大学生たちの記憶に残る試合をしたい

「僕が大学1年生のときに、全クラ1回戦のオフィシャルをしたことがあります」。

第21回全クラ(2019年度開催)の一回戦は、山口会場(防府市スポーツセンター)のArdito対ACLの戦いで、3-4でArditoが逆転負けを喫しました。

「いまでもArdito対ACLの試合をくっきり覚えています。Arditoが最後、どう得点されたかのシーンも覚えているほどです。当時、大学1年生で戦術もなにも分かっていなかったけれど、関西のチームというのは、どれだけ高いレベルなんだろうと思いました。

今大会では、自分が大学生のときに衝撃を受けたように、会場へ見に来る九州地区の学生たちの記憶に残る試合をしたいと思っています」。

九州地区のみなさん、是非、Arditoが出場する全クラ1回戦を見に来てください。

今回は、試合会場が九州のため現地へ行きやすい環境です。

当日、会場へ行くのが難しい皆さまは、配信で観戦するという方法もありますので、是非配信をご覧ください。


【チーム詳細】

【プロフィール】

中嶌友輝さん プロフィール写真
  • 名前:中嶌友輝
  • 背番号:#7 MF/FO 主将
  • 出身大学:2023年3月 西南学院大学卒業
  • コーチ歴:
    • 2023~24年 西南学院大学HC
    • 2023~24年 九州ユースコーチ
  • クラブチーム選手歴:2023年~ Ardito

Photo Ardito提供

Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子


【前大会記事】

【日清食品presents第25回ラクロス全日本クラブ選手権大会 1回戦特集】~各支部のクラブチームってどんなチーム?(中四国・九州支部・男子編)~

【九州地区リーグ戦参加経緯 関連サイト】

オトナがオトナの遊び場を創るために~日本クラブチームラクロス連盟のめざすところ~:第3回

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