Interviewインタビュー

| チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 岡山大学 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 |
| 早稲田大学 | 2 | 2 | 5 | 2 | 11 |
| チーム | 背番号 | 選手名 | 得点数 |
|---|---|---|---|
| 岡山大学 | 1 | 長野将也 | 1 |
| 2 | 藤田尚士 | 1 | |
| 4 | 山下洋輝 | 1 | |
| 24 | 西連太朗 | 1 | |
| 81 | 東野太郎 | 1 | |
| 早稲田大学 | 0 | 山田伊織 | 1 |
| 2 | 中原健太 | 1 | |
| 7 | 小川隼人 | 1 | |
| 11 | 吉田宗一郎 | 1 | |
| 13 | 山口遼真 | 1 | |
| 16 | 山﨑柚貴 | 1 | |
| 22 | 花井コルトンヘイズ | 4 | |
| 34 | 小林三四郎 | 1 |
1Qは早稲田オフェンスのテクニカルな戦術が光る
(本文中の得点は、HOME対AWAYの並びです)
1Q最初のフェイスオフ(以下、FO)は岡山大学(以下、岡山)#4山下洋輝選手と早稲田大学(以下、早稲田)#14富田隼平選手により行われ、岡山#4山下選手のポゼッションより攻撃が開始。岡山は4本シュートを放つなど岡山ペースで始まったものの、徐々に早稲田のポゼッションが長くなり、岡山ゴーリー#3嘉住健太選手のセーブでクリアを試みるも、早稲田オフェンスによる早い段階でのライドで岡山はボールを前へ進めることができません。
開始8分半、マンアップオフェンスの間に早稲田#16山﨑柚貴選手が得点、0-1と先制します。#16山﨑選手は、ゴール裏で味方にパスをしたと見せかけて、ボールを持ったまま1on1。岡山ディフェンスは#16山﨑選手がボールを持っていると気づかず、ふいをつかれます。
2本目のFOは、岡山は主将でロングスティックの#9松田紘幸選手と早稲田#3多田倫太郎選手で行われ、岡山#9松田選手のポゼッションより攻撃開始。途中、岡山ゴーリー#3嘉住選手が早稲田#7小川隼人選手によるジャンピングシュートを止めるというビッグセーブもありましたが、残り2分、得点を決められます。
ゴール裏からボールを運ぶ早稲田#7小川選手に付いている岡山ディフェンスが早稲田#13山口遼真選手にピックを掛けられ、ボールを持つ早稲田#7小川選手を外せないと判断した岡山ディフェンスは、早稲田#13山口選手をフリーにしてしまいます。フリーとなった早稲田#13山口選手が#7小川選手からのパスを受けてシュート。0-2とリードを広げます。
3本目のFOは岡山#66加藤優光選手と早稲田#14富田選手で行われ、両者得点ないまま0-2で1Q終了。
ゴール裏を上手く使う早稲田#16山﨑柚貴選手
2Qで岡山得点するも早稲田リード
2Q最初のFOは岡山#4山下選手と早稲田#3多田選手でしたが、早稲田#3多田選手が笛より早く動いたため岡山ボールからのスタート。
開始4分ごろ、早稲田#7小川選手が放ったシュートを岡山ディフェンス#51砂田凛太郎選手がチェイスで岡山ボールとすると、速攻を仕掛ける岡山に対し早稲田がファール。岡山にマンアップオフェンスのチャンスが訪れます。チャンスを活かしたい岡山は#21遠藤梨玖斗選手、#20清水祐希選手と続けて早稲田ゴールを狙いますが決まりません。
開始5分。ゴールを割ったのは岡山#2藤田尚士選手。大きくパスを回し早稲田ディフェンスを誘い込んでいる間に、空いたゴール前にイン。#24西連太朗選手からのパスを受けて、岡山#2藤田がクイックシュート。1-2と岡山初ゴールを決めます。
2本目のFOも岡山#4山下選手と早稲田#3多田選手。乗っている岡山は#4山下選手がポゼッションしますが、パスミスにより早稲田ボールへ。FOで岡山は先にボールに触れることが多いものの、攻撃に繋げることができません。
早稲田の早いクリアで、早稲田#11吉田宗一郎選手がフリーでシュートを放つも力んでしまい枠外へ。そのチェイスも岡山ディフェンス#51砂田選手が取りますが、オフェンスへ繋がりません。
開始10分、早稲田#11吉田宗一郎選手の得点で1-3へすると、残り数秒というところで早稲田#22花井コルトンヘイズ選手が追加点を上げ1-4へ。早稲田がリードを広げて2Q終了。
本日4得点した早稲田#22花井コルトンヘイズ選手
3Qは早稲田が5得点を稼ぐ
3Q最初のFOを早稲田がポゼッションすると、ゴールエリアラインにいる早稲田#34小林三四郎選手が#0山田伊織選手からパスを受け、1on1でシュート。開始1分で早稲田が得点し1-5とします。
開始3分では、早稲田#16山﨑選手がゴール裏からの1on1で岡山ディフェンスを2枚引き付けると、ゴール横でフリーとなった#7小川選手へパス。#7小川選手がすかさずシュートを撃ち1-6へ。
3本目のFOはグランドボールの奪い合いで岡山にファールがあり早稲田スタート。
開始3分半、早稲田ディフェンス#2中原健太選手がゴールエリアラインを越えると、チェックでボールを落とされますが、#7小川選手がフォロー。#7小川選手はそのままゴール裏で1on1を仕掛け岡山ディフェンスを引き付けます。引き付けたところで、ゴール前で待つ#2中原選手へパス。受け取った#2中原選手がロングスティックを振り下ろしシュート。ディフェンスが得点するという盛り上がりを見せ1-7へ。
この得点後、岡山から早稲田#2中原選手のスティックチェックが申請されますが、合法と判断されたため、早稲田は3分間のマンアップオフェンスを獲得します。早稲田は一人多い状況を活かせずマンアップオフェンスは解除されますが、開始10分、グランドボールをスクープした早稲田主将でディフェンスの#9野澤想大選手が、ゴール前にフリーで待つ#22花井選手へパス、#22花井選手がそれを落ち着いて決めて本日2得点目を上げ1-8へ。
この得点後も、岡山から早稲田#22花井選手のスティックチェックが申請されますが、合法と判断され、早稲田が3分間のマンアップオフェンスを獲得。
再び早稲田ボールからのスタートとなりますが決め切れずに、両者ターンオーバーが繰り返されると、マンアップオフェンスを活かすべく、早稲田によるチームタイムアウトが取られます。タイムアウト後の早稲田は、一人少ない岡山ディフェンスをパス回しで振り回し、スペースを空けて右サイドの早稲田#32岡地選手へパスを渡します。#32岡地選手が撃ったシュートを岡山ゴーリー#3嘉住選手がセーブ。それでも早稲田の攻撃は続きます。
残り3分。ゴール裏へのパスをインターセプトしようと出た岡山ゴーリー#3嘉住選手がゴールに戻る前に、早稲田#7小川選手が#22花井選手にパス、#22花井選手が3得点目を決めて1-9へ。
4本目のFOは、岡山#9松田選手と早稲田#3多田選手。早稲田#22花井選手がボールポゼッションすると、パスでゴール前につないでいきます。早稲田の攻撃は#22花井選手の背面シュートを岡山ゴーリー#3嘉住選手が止めることでクリアに。岡山の攻撃へと転じます。ゴール前、岡山#81東野太郎選手が粘り強く1on1を仕掛けると、続く#1長野将也選手も1on1で早稲田の堅いディフェンスをかわしシュートし2-9へ。岡山ベンチを沸かせ3Q終了。
岡山大学エース#1長野将也選手が得点
4Q、岡山3得点上げるも早稲田の勝利へ
4Q最初のFOは岡山#4山下選手と早稲田#14富田選手で行われ、反応がダントツで早かった岡山#4山下選手が自身でポゼッションし、そのまま早稲田ゴールまで走り切りシュート。開始10秒で岡山#4山下選手が得点し3-9へ。
2本目のFOは、岡山#66加藤選手と早稲田#3多田選手で行われ、早稲田ディフェンスの#19新井蒼太選手がポゼッション。早稲田#19新井選手がそのままロングスティックでシュートを撃ちますが、岡山ゴーリー#3嘉住選手がセーブ。
その後も早稲田が攻撃を続け、開始10分にゴールエリアラインでボールを持った早稲田#11吉田選手が、ゴール裏からフリーで出てきた早稲田#22花井選手へパス。下に落ちるパスを受け倒れ込みながらも#22花井選手がクイックシュート。本日4得点目を上げ3-10とします。
3本目のFOは、岡山#4山下選手と早稲田#14富田選手で行われ、早稲田#9野澤選手がポゼッション、攻撃へとつなげます。
開始8分、早稲田#11吉田選手が放ったシュートを岡山ゴーリー#3嘉住選手がセーブすると岡山ポゼッションへ。岡山#81東野選手がゴール裏からの1on1でシュート、4-10と岡山が追い上げます。
岡山大学#81東野太郎選手(写真は3Qで攻撃をしているシーン)
4本目のFOのあと、早稲田ディフェンス#9野澤選手がボールポゼッションし岡山ゴールへ向かうと、同じく早稲田ディフェンス#2中原選手も攻撃に参加します。#9野澤選手からのパスを受けた#2中原選手がロングスティックでシュートを放つと、枠を外れたもののロングスティック同士のパス回しと攻撃は見ごたえがあり会場を沸かせます。
早稲田の攻撃は続き、開始10分には早稲田#0山田選手が1on1で得点し4-11へ。
残り2分、岡山のチームタイムアウト後、岡山#30田渕陽人選手ボールからのスタートとなり、1on1を試みますが早稲田の堅いディフェンスでなかなかゴール前に入れません。岡山#30田渕選手はゴール裏にいる岡山#24西連太朗選手へパス。岡山#24西選手がゴール裏からの1on1で得点し5-11へ。岡山が追い上げますが、5-11で4Qが終了し、早稲田が決勝へ駒を進めました。
2025年11月30日 岡山大学 対 早稲田大学の見逃し配信はこちら
魅せるロング早稲田大学主将#9野澤想大選手
早稲田大学主将#9野澤想大選手
早稲田には二人の日本代表がいます(2026年1月開催のアジア・パシフィック選手権大会 2026へ出場)。主将でディフェンスの#9野澤想大選手と同じくディフェンスの#2中原健太選手です。3Qでは#2中原選手が1得点を上げ、#9野澤選手が#22花井選手へアシストパスを出し、早稲田の1得点に絡みました。
また、4Qでは、#9野澤選手から#2中原選手へパスを出し、外れたものの#2中原選手は2本目のシュートを撃っています。ロングスティックが攻撃をするというのは観客としては見ごたえがあり、心躍るシーンです。
「フルフィールドオフェンスで、全員が点を取りに行くっていうのは、今年のチームの強みなのでそれは体現したいと思っていました。自分としても、アシストも一個ありましたし及第点かなと思っています」(#9野澤選手)
決勝戦へ向けて、この1年間チームとして目指して来たものはなんでしょうか。
「チームとしての目標は日本一なので、『勝つ』確率を高めるために、どんな状況でもマインドセットを同じにすることを日頃の練習から意識しています。個人としては、自分は天井を引き上げることをしないといけないので、上手くなり続けることを意識しています」
12月21日の決勝戦に向けてはどのような準備をしているのでしょうか。
「(11月24日に開催された準決勝の)明治学院大学vs名古屋大学の結果が出た瞬間から、(初めて当たる)名古屋大学に対しても、今まで通りいけるように準備をして、当日やるべきことをやるだけだと思っています」
全学で1勝できたことで目線を一つ上に上げることができた
ボールポゼッションする岡山大学主将#9松田紘幸選手
岡山大学は、2025年11月15日に行われた全学1回戦で京都大学(関西1位)を5-4で破り、初めての準決勝進出となりました。主将#9松田紘幸選手にこの一年間チームとして目指して来たものをお聞きしました。
「全学という舞台で一勝を挙げることを目標として一年間やってきました。2週間前に京都大学を相手に一勝できたのですが、準決勝進出で、もう一度ぼくたちが何を目指すか考えたときに、これから岡山大学が『日本一』と言う目標を持つことができるような一戦にしたいということで、もう一度一勝することを目標にこの舞台に立ちました」
京都大学の試合で、#9松田選手はケガをしたと言います。
「この2週間練習があまりできていない状況だったので、自分自身は今日の試合でいいパフォーマンスはできないだろうと予想していました。だから、とにかくチームの士気を上げることと下を向かないことを意識して臨みました。『ALL IN』というスローガンのもと全員で勝ちに行く、総力戦というラクロスをしてきたのでそれをやれるような声掛けを常に意識していました。鼓舞をすることやみんなを上に向かせることはできていましたが、自分がフィールド立ったときに早稲田大学の強さを感じて下を向く瞬間が少しありました。でも、そのときでもこれまでのようにチームメイトが自分のことを支えてくれて、上を向かせてくれたのでチームメイトを信じてきてよかったなと思っています」
全学1回戦や準決勝で敗退したチームの選手たちも悔しさと充実感とを以て今シーズンを終わらせました。この一年間で培ったチームメイトとのきずなや自分自身の頑張りが、これからの人生を支えてくれますようにと願って止みません。
決勝戦は名古屋大学vs早稲田大学
決勝戦へ進出した早稲田大学は、過去15大会(2009年〜2024年)のうち5回決勝戦へ進出し、5回とも優勝しています。対する名古屋大学は決勝戦初出場。決勝戦へ進出すれば勝ってきた早稲田大学が6回目の優勝を果たすのか、名古屋大学がこの勢いのまま初優勝まで持って行くのか。見所の多い一戦となります。是非とも会場で熱闘をご覧ください。会場へ行けないという方は、ラクロスライブ配信をご覧ください。
【決勝戦 試合情報】
日時:2025年12月21日(日) 15:00フェイスオフ
場所:スピアーズえどりくフィールド(東京都江戸川区)
対戦カード:名古屋大学(東海1位)対 早稲田大学(関東2位)
Photo by 日本ラクロス協会広報部 中村真澄
Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子














