Interviewインタビュー

| チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 関西学院大学 | 4 | 2 | 0 | 2 | 8 |
| 立教大学 | 0 | 0 | 1 | 4 | 5 |
| チーム | 背番号 | 選手名 | 得点数 |
|---|---|---|---|
| 関西学院大学 | 0 | 大井里桜 | 2 |
| 34 | 濱田亜音 | 1 | |
| 44 | 福山暖菜 | 1 | |
| 80 | 井出歩未 | 4 | |
| 立教大学 | 1 | 石井ビクトリア | 2 |
| 3 | 生駒桃子 | 1 | |
| 41 | 山崎心寧 | 1 | |
| – | オウンゴール | 1 |
1Qのドローはすべて関学ポゼッションへ
(本文中の得点は、HOME対AWAYの並びです)
1Q最初のドローは、関西学院大学(以下、関学)#0大井里桜選手と立教大学(以下、立教)#1石井ビクトリア選手により行われ、グラウンドボールを関学#63廣瀬珠桜選手が拾い関学ボールでスタート。
関学の中盤を制する#63廣瀬珠桜選手
関学は6本のシュートを放ちますが決め切れないなか、開始5分、立教ディフェンスの堅い守りの隙をついて得点したのは関学#80井出歩未選手。ボールが左サイドで動くなか、右サイドでフリーとなった関学#井出選手がパスを受けてシュート。先制し1-0へ。
続くドローも関学がポゼッションすると、開始6分、パス回しのあと、関学#0大井選手が15mのセンターハッシュあたりでパスを受け1on1を仕掛けシュートし、2-0へ。
3本目のドローに立教#7大武結奈選手が入るも、関学#0大井選手が自分で上げて自分でボールをキャッチし関学ポゼッションへ。
開始9分、ゴール左サイドからの攻撃に立教ディフェンスが集中したところへ、右サイドゴール裏で待ち構える#80井出選手にパスが回り、#80井出選手が1on1でディフェンスをかわすとシュートし本日2得点目を上げ3-0へ。
4本目のドローも関学のポゼッション。センターサークルで構える#98堀之内冴選手がキャッチし関学攻撃へ。
開始12分に関学#80井出選手の3得点目で4-0。
5本目のドローも関学ポゼッション。立教がなかなか攻撃できないまま4-0で1Q終了。
2Qもドローは関学がポゼッション
2Q最初のドローは関学#0大井選手と立教#17石橋果怜選手で行われ、グラウンドボールをスクープした関学ポゼッションでスタート。
開始2分に関学#34濱田亜音選手が得点し5-0へ。
立教はドロワーを#1石井選手に戻しますが、2回のディドロー(頭より上に上がらないためドローをやり直すこと)ののち関学ボールでスタート。
立教のチームタイムアウト後、立教がボールポゼッションする時間が増えますが、関学ディフェンスの堅い守りとゴーリー#99鶴長紗耶選手のナイスセーブにより得点が生れません。
両者得点がないまま残り1分、関学ディフェンスが立教からボールを奪うと前へ前へとパスを繋ぎ、ゴール右サイドで待つ#80井出選手へパス。#80井出選手が本日4得点目を上げ6-0へ。
3本目のドローで立教は#7大武選手へ代えますが、関学#0大井選手が自分で上げて自分で取りますが、攻撃途中で2Q終了。
3Qで立教がようやくペースをつかむ
3Q最初のドローは、関学#0大井選手と立教#17石橋選手。グラウンドボールを立教#4有馬紗良選手がスクープし、この試合初めての立教がドローゲット。
開始5分、関学ディフェンスによるオウンゴールで立教が初得点、6-1へ。
2本目のドローも関学#0大井選手と立教#17石橋選手。グラウンドボールを立教#17石橋選手がスクープ。ようやく立教がペースをつかんできました。
開始8分。グラウンドボールを取り合う#1石井選手へ関学ディフェンスがファール。2分間の退場となり立教がマンアップオフェンスとなります。このチャンスに立教#7大武選手、#1石井選手がシュートを放ちますが、一人少ないながらも堅い守りを見せる関学ディフェンスとゴーリー#99鶴長選手によるナイスセーブにより関学はピンチをしのぎます。
マンダウンディフェンスのなか、関学#63廣瀬選手がゴール前でインターセプトし攻守が変わります。関学#80井出選手がシュートを放ちますが、立教ゴーリー#12大濱日佳選手がナイスセーブでターンオーバーとなりますが、6-1で関学がリードのまま3Q終了。
攻撃する立教エース#1石井ビクトリア選手
4Q 立教が追い上げるも8-5で関学が勝利
4Q最初のドローは、関学#0大井選手と立教#17石橋選手で行われ、立教#4有馬選手がグラウンドボールをスクープ。パスを受け取った#41山崎心寧選手がボールをキープし、激しい関学ディフェンスの当たりにも勝ってシュート。開始1分で6-2へ。
次のドローは、関学にファールがあり立教ボールからのスタート。両者得点ができないまま時間が過ぎた開始5分。立教エース#1石井選手が1on1を仕掛け得点し6-3へ。
続くドローでは、関学#0大井選手がボールポゼッションしますが、パスミスによるダウンボールを立教#4有馬選手がスクープ。このあと両者ダウンボールで幾度となく攻守が入れ替わりますが、開始7分。ゴールまでボールを保持し粘った立教#3生駒桃子選手が、角度のないところからシュートを放ち6-4へ。
関学のチームタイムアウト後のドローは関学#0大井選手が自ら取り、攻撃をしかけます。
開始8分、その関学#0大井選手が立教の強い当たりにも負けず、1on1を仕掛けシュート。本日2得点目を上げ7-4とし、立教に向いた流れを関学へ戻します。
4本目のドローはグラウンドボールをスクープした関学がポゼッション。
残り4分、関学#0大井選手からパスを受けた1年生の#44福山暖菜選手が1on1で走り込みシュートを決め8-4へ。
5本目ドローは立教がポゼッション。
残り3分、グラウンドボールの取り合いで関学にファールが出ると、立教#1石井選手にフリーシュートが与えられます。一旦ゴール裏にパスを出しますが、味方が1on1を仕掛ける間にゴール前へポジションを取り、4人に囲まれながらもシュート。立教#1石井選手が本日2得点目を上げ8-5へ。
立教#1石井選手はこの後、ドローの調子も上がります。自分で上げたドローを自分で取り攻撃へ繋ぎます。
立教の早いパス回しで#16張替怜選手がゴールを狙いますが、ゴールポストへ当たり関学ボールとなった残り53秒で、関学による2回目のチームタイムアウト。
タイムアウト後は両者攻撃に進めないまま試合終了。8-5で関学が勝利し、決勝戦進出が決まりました。
1年生ながらも得点した関学#44福山暖菜選手
2025年11月30日 関西学院大学vs立教大学の見逃し配信はこちら
ドローを自分で取ることにこだわった
「日清食品presents第16回ラクロス全日本大学選手権大会」(以下、全学)準決勝戦、関学対立教の試合で、終始ドロワーだった関学#0大井里桜選手(3年生)は、前半のドローすべてを関学ボールへとしてきました。
女子ラクロスにおいてドローを制する者が試合を制すると言われる通り、本準決勝でもドローが得点に大きく影響をしました。
関学#0大井選手に、ドロワーとしてこの1年意識してきたことお聞きしました。
「去年は、ドローで相手に勝てないことが多かったので、今年は自分で取れるドロワーになることを意識してきました。去年はパワーでパーンと飛ばし、周りに頼るドローの仕方でしたが、今年はコンパクトにして、自分で取れる範囲に上げることにこだわりました」。
関学ボールとなった11本のうち、3本は#0大井選手が自分で直接取っています。
早く反応することにこだわった
ドローを上げる関学#0大井里桜選手と立教#7大武結奈選手
今日の準決勝(立教戦)で、これをすると決めていたものはあったのでしょうか。
「反応にこだわろうと思っていました。シンプルに相手より早く審判の笛に反応して上げるということだけ今日はこだわっていました。それはできたなと思っています」。
前半、関学ペースでしたが、後半になって立教の調子が出始めたとき、ドローも相手ボールになる回数が増えました。どう対処しようと思われたのでしょうか。
「立教のドロワーが(後半になって)スティックを変えてきたというのが大きかったです。相手がスティックを変えてきたときに、無理に抗うのではなく、相手が飛ばしたい方向へ後押しする感じでもっと周りの配置で勝負できたなと思っています。あとは、立教がパワー系のドロワーと交代したとき、対応するのがワンテンポ遅くなったことが反省点として挙げられます」。
決勝戦で意識していること
関学が全学決勝戦で対戦するのは日本体育大学(以下、日体)です。日体とのドローについて、どのような対策をしているのでしょうか。
「立教vs日体の試合を見たのですが、日体はドローのゲット率が高く、ジドリ(自分で上げて取る)が多いからだと思いました。なので、ジドリだけはさせたくないです。グランドボールの寄りも日体のほうが早かったので、関学は負けないようにより早く対応していきたいです」。
ドロー後のダウンボールを取り合う関学#0大井里桜選手と立教#1石井ビクトリア選手
『相手主語』のラクロスで勝つ
ここからは、立教のエースでドロワーでもある#1石井選手にお話を聞きます。
この1年間目指してきたことはなんでしょうか。
「日本一を目指してきました。『差』じゃなく『違い』で勝つというところを意識してずっとやってきました。相手が優っているところに対して、自分たちがどんなリアクションをすれば相手はいやがるか、『相手主語』で考えるということをしてきました」。
前半の無得点のとき何が起こっていたのか
『相手主語』ということで、相手が関学だからこそのプレーはできたのでしょうか。
「1Qでは立教が合計1分もボールを持てず、ラクロスそのものができていませんでした。オフェンス陣は、『とりあえず1点を決め切ることで流れを作りたい』にフォーカスして、パニックになって、みんな普段練習でしないことをしようとしていました。
だから、ハーフタイムで、みんなに『ボールをわたしに充ててほしい』と伝えました。エースであるわたしにボールを充てることで、みんなが落ち着くんじゃないかと思ったからです。
3Qでわたしにボールが充たるようになって、立教の『相手主語』を少しずつ戻り始めました。
4Qになって、2年生の#41山崎心寧選手を投入したことでより立教に流れが来ました。彼女は、去年じん帯を切って、この1年間試合に出られなかった選手です。だからこそ、空気を読まずに自分のプレーをしてほしいと伝えたら、立教1点目を決めてくれました。それをきっかけに、だんだん立教の流れになっていきました」。
#1石井選手もその後、2得点します。
背番号の「1」はチームで一番期待されているという意味
「立教の背番号は『1』から順に期待されていることを表しています。実力のところも番号順に求められているので、自分が1番を背負っているなら、1番なりのふるまいをしないといけないと思ってきました。
関東学生リーグ戦では勝ててはいたものの、わたしは背番号1番のふるまいができていなかったと思います。指示出しを求められているのに、内にこもってしまうこともありました。
今日の試合では絶対にそれをしないと決めていました。だから、集合のとき『一回話を聞いて』と言ったら、いい後輩たちだから聞いてくれて、コートの中でも外でも会話を忘れずにして、それがだんだん実って、プレーにも余裕が生まれてきて、4Qで4得点できた。今回の結果(敗退)は残念だったけど、本当に後悔がないんです…」。
そう言いながら、#1石井選手に込み上げるものがありました。
自分のためじゃなくチームを勝たせたい
石井選手は、ラクロス経験者(横浜東高校出身)として入部しました。
「1年生の途中から試合に出られるようになると、なにをモチベーションにラクロスをがんばればいいのか分からなくなりました。自主練も全然していなかったし、練習が終わったらすぐ帰るし、舐めている自分がいました。
1年生のとき(公式戦に出ることができる)『代表チーム』に同期がいない時期があり、1年生一人で期待されて、どういう風にがんばればいいか分からなくなった。
3年生になってがんばろうという気持ちになったんですが、そのときは、関東学生リーグ戦1部Aブロック3位で予選敗退。何も実らないんだと思いました」。
4年生になって「代表チーム」にいる同期4人(※)と、「一回、本気でがんばってみよう」と話したと言います。
※公式戦に出ない「サテライトチーム」にいる部員を含めると同期4年生は約30人います。
「そこからしっかり自主練をするようになりました。練習後に5分、10分と自主練の時間を延ばしていきました。自主練をしていると、がんばっている後輩に気づくようになりました。こんなに後輩が頑張っているチームってないんじゃないかなって。
後輩たちは、『自分』とか『自分たちの代』とかじゃなく、『チーム』が勝つためにがんばっている。そんな後輩たちを見ていると、『この子達を国立(全日本選手権大会の会場である国立競技場)へ連れて行きたい』という思いが強くなりました」。
4年生の夏休みは8時間近くグランドで練習していたこともあったと言います。
「1年生のときの自分を思い出したら信じられない。自分が活躍したいというよりは、本当にこのチームを勝たせたい、このチームでがんばり切りたいという想いが強くなりました」。
みんなが背番号1番
「あのとき、自分がシュートを決めていれば勝てたかもしれない」という思いもあるにはありますが、頑張り切れたことに後悔はないと石井選手は振り返ります。
「みんなに支えてもらった。みんなと本音で話せたことが自分にとっては大きかったです。話せてなかったらここまでがんばり切れなかった。本当にいいチームだなと思います。チームのみんなが『背番号1番』だったな」。
全学1回戦や準決勝で敗退したチームの選手たちも悔しさと充実感とを以て今シーズンを終わらせました。この一年間で培ったチームメイトとのきずなや自分自身の頑張りが、これからの人生を支えてくれますようにと願って止みません。
決勝戦は日本体育大学vs関西学院大学
決勝戦へ進出した関学は、過去15大会(2009年〜2024年)のうち8回決勝戦へ進出し、3回優勝しています。
対する日本体育大学は、3回決勝戦へ進出し、その3回とも優勝しています。
決勝戦へ進出すれば勝ってきた日本体育大学が4回目の優勝を果たすのか、関学が第10回大会の優勝以降6大会ぶりに4回目の優勝を果たすのか。
見所の多い一戦となります。
是非とも会場で熱闘をご覧ください。
会場へ行けないという方は、ラクロスライブ配信をご覧ください。
【決勝戦 試合情報】
日時:2025年12月21日(日) 11:00ドロー
場所:スピアーズえどりくフィールド(東京都江戸川区)
対戦カード:日本体育大学(関東1位)対 関西学院大学(関西1位)
Photo by 日本ラクロス協会広報部 中村真澄
Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子














