Columnコラム

Maryland、3OTの死闘を制す。——Road to Championship Weekend|Week 5-6

ゴールポストに救われた。あるいは、見えない何かに導かれた。3OTの末にMarylandが13-12でVirginiaを退けたCollege Park、Harvardがフィラデルフィアで20年越しの扉をこじ開けたFranklin Field——Week 5・6のフィールドには、数字では語れないドラマがあった。無敗を守る5校。混戦は、さらに深まっている。ラクロスマガジンジャパンでは、今季のNCAA D1シーズンをWeekごとにピックアップ。注目ゲームの戦評と翌週の見どころをお届けする。

Week 5(3/7〜3/9)Pick Up ゲーム

Notre Dame 9 vs 8 Ohio State|無敗同士の頂上決戦、1点差が示すもの

 

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NOTRE DAME

9

vs

OHIO STATE

8

スコアは1点差。だが、試合を知るほど、その差はもっと大きく見えてくる。

開幕6連勝で乗り込んできたOhio State を、Notre Dameは South Bend で9-8と退けた。ショット数は37対26でOhio Stateが上回り、Caleb Fyockは9セーブの奮闘を見せた。それでも届かなかった。

理由はシンプルだ。Notre Dameは第4Qを完封した。後半の失点はわずか1。Thomas Ricciardelli が13セーブを記録し、セーブ率73%でゴールを守り続けた。

攻撃を引っ張ったのは、今季すでに3試合連続でチームトップに立つBrock Behrman(2G2A)。6人の異なる選手がゴールを決める「層の厚さ」も、Notre Dameの強みだ。

Notre Dameの強さは、「勝ちきる力」にある。大量得点ではなく、必要な点を取り、必要な場面を締める。5連勝に共通する姿だ。

Harvard 17 vs 7 Michigan|クリムゾンの快進撃

HARVARD

17

vs

MICHIGAN

7

Houston を舞台に、Harvard が爆発した。

前半を7-5で折り返した後、後半だけで10-2。最終的に17-7の圧勝。1試合平均約15得点というペースは、今季の全米でも屈指の攻撃力を示している。

この日のMVPは間違いなくJohn Aurandt IV。キャリアハイの7ポイントを叩き出し、Jack Speidellも5ポイントと続いた。GKのGraham Stevensは18セーブで後方を支え、5-0という完璧な滑り出しを記録した。

「速く、自由に」——それが今年のHarvardを一言で表すとしたら、そういうことだと思う。

Week 5 その他の注目結果

Penn State 19 vs 7 Cornell|昨季のNCAAに眠る因縁

PENN STATE

19

vs

CORNELL

7

昨季のNCAA準決勝——その舞台で敗れた借りを、Penn Stateはまとめて返した。

開始早々から7連続ゴール。Happy Valleyの雰囲気を完全に味方につけ、Kyle Lehmanが6ゴールで牽引した。Cornellにとっては第1Qだけで7ターンオーバーという試合。ミッドフィルダー2人の欠場も重なり、なす術がなかった。

「最も波が激しいチーム」と言われながら、Penn Stateはこの日、別のチームのように見えた。

Princeton 20 vs 9 Rutgers|Princeton、圧勝

PRINCETON

20

vs

RUTGERS

9

第1Qで9-3。前半で14-3。Meistrell Cupは文字通り「圧勝」で決まった。

North Carolina戦でOwen Duffyを封じたJack Stahlは、この日も相手のAll-AmericanであるColin Kurdylaをほぼ完封した。2週連続でリーグを代表するアタックマンと対峙し、どちらも退けた。真のエリートディフェンダーとしての地位を固めつつある。

Week 6(3/14〜3/15)Pick Up ゲーム

Maryland 13 vs 12 Virginia(3OT)|ポストを叩いた音が、静寂を破った

 

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MARYLAND

13

FINAL

3OT

VIRGINIA

12

3OT残り数秒。Virginia のRyan Colseyが放ったシュートは、SECU Stadiumのゴールポストを弾いた。

その瞬間、Riley Reeseが走った。チェイスアウトでボールを抑え、Marylandがクリア。Leo Johnsonがボールを受け、前へ。Zach Whittierへ。左利きの一撃が決まり、13-12——。

 

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11-8が、11-11になった第4Q

第4Q開始時点で、Marylandは3点リードしていた。そこからVirginiaが動いた。インバートオフェンスから3連続ゴール。Chase Band、Colsey、Truitt Sunderlandが右ハッシュを次々と仕留め、ゲームをひっくり返す。

残り3分47秒、McCabe Millonのパスを受けたRyan Duenkelが決め、Virginiaは1-0以来初めてのリードを手にした。

それでもMarylandは倒れなかった。残り39秒、Leo Johnsonが2人をかわしてニアパイプへ打ち込み、同点。そのまま、試合はOTへ。

Will Schallerは、ベンチから声を送り続けた

1OT終盤、McCabe Millonがドッジを仕掛けたその瞬間、Will Schallerが膝を押さえてフィールドに倒れた。ILプレシーズンランキング2位、前年のBig Ten DPOYの離脱。代わりに入ったReeseが最後のチェイスアウトを決め、勝利を手繰り寄せた。

Scahllerはヘルメットを外し、ベンチの端から2OT・3OTを見守った。言葉をかけ続けた。

Schallerのケガの程度は、MRIの結果が出るまで不明だという。ACLか、PCLか、あるいは半月板か。シーズンへの影響を、今は祈るほかない。

試合スタッツ

Maryland Virginia
ゴール 13 12
セーブ 14 8(Marek)
フェイスオフ 18-12 12-18
グラウンドボール 26 32
ターンオーバー 18 12

Harvard 12 vs 9 Penn|20年ごしの勝利

 

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HARVARD

12

vs

PENN

9

フィラデルフィア、Franklin Field。Harvardはここで20年間、勝てなかった。

その記録が、6-0という完璧な戦績を手土産に今週末、ついて動いた。12-9での勝利。Teddy Maloneが4ゴールを決め、John Aurandt IVがハットトリック+アシストと続いた。

この試合で光ったのは、得点力だけではない。ターンオーバーをわずか11本に抑えたこと。マンダウンを4回全て守り切ったこと。ターンオーバーを誘発することで知られるPennのディフェンスに対し、Harvardは落ち着いてボールを動かし続けた。

Graham Stevensは16セーブ。6-0での Ivy League 開幕となった。

North Carolina 10 vs 8 Penn State|Charlotte で生まれた、新たなスター

NORTH CAROLINA

10

vs

PENN STATE

8

Crown Lacrosse Classic、Charlotte——この夜、一人のルーキーが名前を刻んだ。

Anthony Raio。1年生ミッドフィルダーが、キャリア初のハットトリックを達成した。フェイスオフのBrady Wambachは14-22(64%)でフィールドを支配し、UNCが Penn Stateを10-8と退けてCrown Classicを制した。

Penn StateはエースのHunter Aquinoが引き続き欠場。Kyle Lehmanが無得点に終わったことが、全てを物語っている。第2Q終盤に4-4と追いつく粘りを見せたが、最後まで逆転には届かなかった。

Week 6 その他の注目結果

Princeton 11 vs 10 Yale|鉄壁のゴーリー、健在。

8-4のリードから Yale に4連続ゴールを許し、同点まで追い詰められた。それでもRyan CroddickがIvy League 開幕戦のドアステップで連続セーブを記録し、11-10で逃げ切り。Jack Vanaがハットトリックを決め、「セカンドラインからの得点力」という新たな武器も見えた試合だった。5-1のPrincetonは、ここからIvy の頂点を狙う。

Notre Dame 9 vs 4 Michigan|鉄壁は、South Bend でも揺るがない

Michigan のコーチとして母校に帰還したLiam Entenmannの前で、Ricciardelli が11セーブ(73%)でゴールを守り抜いた。相手のHunter Taylorも17セーブと奮闘したが、Notre Dameは第4Qを完封。Behrmanが4ポイントで攻撃を牽引し、6-0の無敗を続けた。

Richmond 17 vs 5 Delaware|7-0、止まることを知らない

17-5で Delaware を一蹴し、7-0を達成。Cornell・Georgetown・UVAという実績あるチームを次々と倒してきた Richmond は、今や無敗チームの中でも「最も嫌なチーム」の一つになりつつある。Aidan O’Neilが今季も1試合平均4ポイント超えのペースを維持中だ。

ラクマガ予想ランキング|Week 6

勝敗だけでなく、勝ち方・相手の強さ・チームの状態を踏まえた独自の評価。Duke は7-0ながら5位に留めた。強豪と戦っていない以上、「本物かどうか」の判断は先送りするほかない。

ラクマガ予想ランキング|Week 6

順位 チーム 戦績 前週比 コメント
1 Notre Dame 6-0 無敗継続。Behrmanの安定感と鉄壁の第4Qは別格
2 Harvard 6-0 ↑↑ 20年越しの Franklin Field 勝利。Stevens 16セーブ、マンダウン4/4
3 Richmond 7-0 Delaware に 17-5。Cornell・Georgetown・UVA を全て倒した実績
4 Princeton 5-1 Yale に 11-10。Croddick の土壇場連続セーブで Ivy 開幕戦を制す
5 Duke 7-0 無敗 7-0 だが強豪との対戦なし。本物かどうかは、まだわからない
6 North Carolina 7-1 Raio がキャリア初ハットトリック。Charlotte で Crown 奪取
7 Ohio State 4-2 Notre Dame に 9-8 惜敗。Fyock 9セーブの奮闘も及ばず
8 Maryland 3-3 3OT Virginia 撃破は評価に値する。Scaller の状態次第でランクは大きく動く
9 Syracuse 4-3 Hopkins に 12-8。Spallina 復調、守備は着実に再建中
10 Penn State 4-3 UNC に敗れ 4-3。Aquino 欠場のまま Big Ten 開幕——正念場が続く

Next Week(3/21〜3/22)注目カード

Notre Dame vs Virginia|6-0 の壁に、UVA が挑む

3OTを戦い抜いたVirginiaが、いよいよACC戦で Notre Dame と対戦する。「今日、シーズンをひっくり返した」とTiffany HCが語った言葉は、本物かどうか——南ベンドでその答えが出る。Ricciardelli の壁を崩せるかどうかが焦点だ。

Maryland vs Penn State|傷を抱えた二強の Big Ten 開幕

Scaller の状態が不透明な Maryland、Aquino 不在が続く Penn State——主力を欠いた状態での Big Ten 開幕は、戦術と精神力の勝負になる。3OTの消耗をどう引き継ぐか、Maryland のコンディションが鍵だ。

Harvard vs Dartmouth|6-0 の Cambridge 、引き続き注目

20年ぶりの Franklin Field 勝利を引っさげて、Harvard は Ivy League 戦線をホームで再開する。「速く、自由に」が続くかどうか。接戦を制する力があるかどうかも、ここから問われていく。


ゴールポストに救われた夜から、シーズンはさらに動き出した。5月に向けて——引き続き、一緒に追いかけよう。

※本記事は Inside Lacrosse の記事を参考に作成しています。

Text by ラクロスマガジンジャパン編集部

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