Columnコラム

【JLAのコレカラ】JLA山田監事より協会会員の皆様へメッセージ|前半

前回の安西理事からのメッセージに続き、『JLAのコレカラ』として、今回はJLA監事より協会会員の皆様へメッセージをお届けします。

コロナ後のスポーツ新時代におけるJLAの舵取り

新型コロナウィルスの影響で世界が一変してしまいましたが、2020年は、一般社団法人日本ラクロス協会(以下、JLA)がさらに進化する年になるのではないでしょうか。JLAは、2018年に法人化し、2019年にビジョンとして「枠を超えてゆく。」と打ち出しました。日本政府は、2012年に5.5兆円であったスポーツ市場を、2020年には10兆円、2025年には15兆円へと拡大させていくとの目標を示しており、スポーツとテクノロジーの融合や、デジタル技術を活用したメディアビジネスなど新市場の創出が期待されていましたが、それらはコロナ時代においてさらに加速化されるでしょう。
コロナウィルスの影響で皆が不安を抱えていますが、スポーツのあり方が変わるスポーツ新時代において、JLAはどのように舵をきっていくのか、会員をはじめとしたステークホルダーの皆さんに対して、その姿勢を示していく年になると思います。ここでは、非ラクロス経験者でヨソ者の私が、JLAの理事会などを通じて感じることをお伝えします。

JLA理事会の雰囲気は?

私は、2014年からJLAに関わり、2018年6月の法人化後監事に就任し、理事会に参加させて頂いている数少ない非ラクロス経験者になります。理事会は月一回土曜日の11時頃から4時間程度行われているのですが、議論を戦わせることを厭わないオープンな雰囲気であると感じます。
現理事・監事(以下、役員)は、「年齢構成、性別、経歴、種目、出身母体、地域等」の多様性や、「ファン、メディア、地域社会、パートナー(スポンサー)、有識者(弁護士、公認会計士、会社役員経験者等)」の専門性・客観性等々を踏まえて全体のバランスをもって選任されており、それが活発な議論を生む一つの要因だと思います。

時代を先取るパラレルキャリア

役員は、印刷出版、観光、金融、建設、自動車、事務機器、商社、情報テクノロジー、食品、スポーツなど、各業界で第一線を張られている方が名を連ねています。今でこそ、パラレルキャリア(本業を持ちながら副業に限られない社外活動をする)考え方が広まりましたが、JLAでは伝統のスタイルです。役員の皆さんは限られた時間の中で正解の無いソリューションを創り出していくような意思決定を多く経験されている方々だと感じます。情報量も多く変化が早すぎる時代において、個人や各企業では差別化要因を生み出すにくい時代だと感じますが、JLAは個人や各企業の強みや専門性を紡ぎ合わせて総体として最適なソリューションを創り上げていくスタイルで、時代にマッチした経営だと思います。

参考:JLA理事・監事一覧
https://www.lacrosse.gr.jp/association/board-of-directors/https://www.lacrosse.gr.jp/association/board-of-directors/

多様性×専門性+ナマの声!

役員間でも議論は白熱しますが、さらに、外部有識者や学生の皆さんの新たな取り組みなどについて、ナマの声を理事会の場で聞いて、各種施策の検討に活用しています。昨年度は、元陸上選手の為末氏、日本サッカー協会専務理事の須原氏などをお招きしています。また、ミャンマーにおけるラクロスの普及活動を行っている学生の取組みやスポーツビジネスコンペで優秀作をとった学生の取組み、そして、米国プロラクロスリーグに飛び込んでいった社会人クラブ選手の取組みなどを拝聴し、その場での議論が理事会における意思決定や施策検討に対して良い影響をもたらしていると思います。これまでJLAが積み上げてきた歴史や現場でのクラブ活動実態を大事にしつつ、新しいもの・良いものを取り込んでいくという姿勢が現れていると感じているところです。

JLAの財務面のポテンシャルは高い

JLAは、全国男女約350チーム、競技人口約18,000人が会員登録、延べ競技人口約100,000人の規模で、年間約5億円の収入(2019年)があります。収入構成の特徴として、国等からの補助金やパートナーシップの収入割合が他スポーツ団体に比べて低い点が挙げられ、この割合を増加させることで、さらに収入を増加させることができるポテンシャルがあります。支出面に関しては、他スポーツ団体と同様に、日本代表への配分、普及事業への配分、旅費交通費等の経費割合等について喧々諤々と議論して決定していますが、パイを増やさなければ予算の奪い合いになってしまいます。これからは、収入のトップラインをあげていくことで、実行できる施策(支出額)をより増やしていくということを考えていくフェーズにあるのではないでしょうか。

(参考)JLA 2020年 収支予算書
https://www.lacrosse.gr.jp/pdf/association/planning-report_2020.pdfhttps://www.lacrosse.gr.jp/pdf/association/planning-report_2020.pdf

2025/26世界選手権大会@日本と2028ロス五輪を目指す経営

収入のトップラインを上げていくために、2025/26年の世界選手権大会の日本開催や2028年のロサンゼルス五輪における競技種目化などを目指して、パートナーシップ収入や国等からの補助金をどのように獲得していくのか今後検討していくことになります。この際に、JLAにおいても公益法人化の議論が出てくると思います。JOC加盟団体の80%超は公益法人であり、JLAが将来公益法人となった場合には、税制上のメリットのほか、社会的信用力の向上が図られることになります。公益法人化にあたっては、JLAの潜在的なポテンシャルも踏まえて、「公益」的な事業と「ビジネス」性の高い事業とのバランスを踏まえて事業内容を戦略的に設計していく必要があると考えます。

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前半はここまでです。
ここまでお話したことと後半でお伝えすることも踏まえて、HPの情報をベースにJLA全体像を図式化してみました。次回の後半でもヨソ者客観視点でお話ししていきたいと思います。

後半の記事は6月12日(金)に公開予定です。お楽しみに。
<プロフィール>
【氏名】山田雄一郎
【JLAでの役割】監事として、日本ラクロス協会のガバナンス・財務・その他経営全般を管轄
【生年月日】1982年6月11日(37歳)
【職業】インフラストラクチャー・官民連携分野のコンサルティング
スポーツ団体等非営利団体へのアドバイザリー(ガバナンス、制度設計、財務)
公認会計士
【趣味】二人の娘と週末遊ぶこと、海外旅行、フットサル

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