Columnコラム

強者を狩る者が、強者になる——Road to Championship Weekend|Week 9-10

Week 10でNorth Carolinaを10-5で下したNotre Dame、メディアポール史上初めて2週連続で1位チームを倒したチームとして頂点に返り咲いた。5月が近づくにつれ、戦線は絞られ、序列が見えてきた。
ラクロスマガジンジャパンでは、今季のNCAA D1シーズンをWeekごとにピックアップ。注目ゲームの戦評と翌週の見どころをお届けする。

Week 9(4/5〜4/6)Pick Up ゲーム

Virginia 14 vs 10 Duke|20年越しの勝利

1Q 2Q 3Q 4Q FINAL
VIRGINIA 3 2 5 4 14
DUKE 2 4 1 3 10

ノースカロライナ州Durham(Koskinen Stadium)

 

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Virginiaが最後にDukeをレギュラーシーズンで下したのは2004年のこと。20年以上越しのリベンジが、ノースカロライナ州Durhamで成立した。

1,986人の観衆の前で、Virginiaは14-10で勝利。グラウンドボールで4本、フェイスオフで3本、ターンオーバーでも上回られていた。クリアでも8本失敗した。それでも勝てた理由は、シンプルだ。Jake Marekが13セーブを記録し、相手との差を一人で埋めた。

「今日はゴールキーパーに頼り切った試合だった。Jake Marekがこれだけ守ってくれるとは、誰も予想していなかった」——Lars Tiffany(ヘッドコーチ)

Marekはもともとエアフォース(空軍士官学校)を卒業後、自力でCharlottesvilleの看護師大学院プログラムに合格。Lars Tiffanyが連絡を取り、ウォークオン(奨学金なし)でチームに加わった男だ。午前3時30分から看護実習をこなしてから練習に来る。今季のセーブ率は51.6%。ヒーローは、毎朝病棟から走ってくる。

オフェンスではJoey Terenzi(3ゴール2アシスト)が今季の欠場期間を忘れさせるパフォーマンス。Brendan Millon(1ゴール4アシスト)、Truitt Sunderland、John SchroterがDukeのBenn Johnstonを1ゴール6シュートに封じた。

「Joey Terenziはこのチームの心臓だ。コミュニケーターとして、これほどの選手はかつて見たことがない」——Lars Tiffany

試合前、ロッカールームでTiffanyはこう語った。「これは番狂わせなんかじゃない。自分たちの力を信じろ」——Hudsonはその言葉を試合後に明かした。戦績は7-4、ACC 2-0。Virginiaに「信じる力」が戻ってきた。

Week 10(4/11〜4/13)Pick Up ゲーム

Notre Dame 10 vs 5 North Carolina|連続撃破、アイリッシュが頂点へ

1Q 2Q 3Q 4Q FINAL
NORTH CAROLINA 2 1 2 0 5
NOTRE DAME 0 4 3 3 10

インディアナ州South Bend(Arlotta Stadium)4/11/2026

 

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Military Appreciation Dayの午後、Arlotta Stadiumは5,000人を超える満員の観客で埋まった。

その開幕から2分も経たないうちに、Alacquaはボールを争う場面でNorth CarolinaのDom Pietramalaに肩を当てた。続いてLSMのWill Donovanとともにピッチを後にしながらPietramalaへ言葉を投げかけた。これは単なる気合ではなかった。Notre DameのゲームプランはPietramala封じだった。

ゴールキーパーThomas Ricciardelli、15セーブ

今シーズンのDivision Iで最高のパフォーマンスと評されるほどの内容だった。North Carolinaを31ポゼッションでわずか5得点、成功率16.1%に封じ込めた。

その中心にいたのが、ゴールキーパーのThomas Ricciardelli。15セーブはシーズンハイ。3グラウンドボール、1ターンオーバー誘発も記録し、クリアでもロングパスでプレッシャーをいなし続けた。

「落ち着いて、冷静でいることを意識していた。0-2とリードされた時も、試合はまだこれから。流れに一喜一憂する必要はなかった」——Thomas Ricciardelli

PietramalaはEMOの場面で1点を取った後、残り9本のシュートはすべて無得点。Shawn Lyght、Nate Schwitzenbergらが徹底的にマークした。Owen Duffyも1ゴール1アシストに抑えられた。

「Duffyとは昨夏のU20代表チームで一緒にプレーした仲だ。だからこそ、1点取られたのは悔しい。でも、また対戦することになるだろう」——Shawn Lyght

フェイスオフの番狂わせ——Tyler Spano、10-18

試合前、フェイスオフの数字はNorth Carolina優位を示していた。Brady Wambachの勝率はリーグトップの70.8%。しかしNotre DameのTyler Spanoはボックススコアが示す通り10-18(55.6%)で互角以上に渡り合い、6グラウンドボールも記録した。試合後半にWambachに代わって投入されたシニアのColin Hanniganも流れを変えることはできなかった。

オフェンスの主役——Luke Miller & Teddy Lally、各3ゴール

攻撃陣はLuke Millerの先制点から動いた。キャッチ&シュートのイメージが強い2年生が、裏からのドライブで最初のゴールを奪った。

「ドライブで取れるとは正直思っていなかった。ただ、チームのオフェンスの中で動き続けていれば何かが生まれると信じていた」——Luke Miller

フレッシュマンのTeddy Lallyも3ゴール。Josh Yagoが3アシストを記録。Matt Jeffery、Will Angrick、Brock Behrman、Jalen Seymourもそれぞれゴールを奪い、スコアリングの厚みを示した。

Notre Dameはメディアポール史上初めて2週連続で1位チームを倒したチームとなった。2017年以来、1位チームに対して5勝1敗。強者を狩ることへの嗅覚が、このプログラムには宿っている。

Week 10 その他の注目結果

Cornell 9 vs 7 Duke|Long Islandの決戦、トーナメントを賭けて

1Q 2Q 3Q 4Q FINAL
CORNELL 2 2 5 0 9
DUKE 1 4 2 0 7

ニューヨーク州Brookville、N.Y.(LIU)

RPI9位のCornellと、トーナメント出場圏外のDuke。これほど重要なノンカンファレンスの中盤戦があっただろうか。Long Island大学(LIU)を会場にしたCorrigan Sports主催の College Lacrosse Liveシリーズに、NCAA選考を見据えた真剣勝負が詰まっていた。

前半を4-5と1点ビハインドで折り返したCornell。第3クォーター、流れが変わった。Ryan Goldsteinが同点に追いつき、次のフェイスオフからわずか6秒でJack Cascadden(フェイスオフ10-18)が勝ち越し弾。Brian Luzziがとどめを刺す——90秒間で3得点。Dukeが食らいつくたびに、Luke RobinsonとディフェンダーBrendan Staub(ディフェンダーながら得点)が突き放した。

ゴールキーパーMatt Tullyが12セーブ。Dukeの得点を今季平均の半分以下に抑えた。第4クォーターは両チームともスコアレス。7人の異なる選手がゴールを分け合ったCornellの底力が、そのままスコアになった。

「Tullyへの信頼は、これ以上ないほどだ。大舞台でまた応えてくれた。本当に誇りに思う」——ヘッドコーチ Connor Buczek

DukeはこれでSyracuse、Virginia、Cornellに3連敗。最新のIL Bracketologyでは、CornellがNCAA出場圏内のラストチームとして掲載されている。Dukeは依然として圏外のままだ。直近17年で16回出場してきた名門の看板が、揺れている。

KANE Media Poll|Week 10

2026年シーズン、1位はすでに5チームが交代した。Maryland→Syracuse→North Carolina→Notre Dame(Week 4-7)→Richmond→North Carolina→Notre Dame——頂点が目まぐるしく変わる今季を象徴するように、Week 10でもNotre Dameが1位に返り咲いた。Princeton(9-2)が1位票を獲得して2位に浮上。Cornellは6位へ上昇し、Yale(12位)も勢いを増している。IVY LEAGUEの混戦が、トーナメント戦線をさらに面白くしている。

 

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KANE Media Poll|Week 10

順位 チーム 戦績 前週 今週の結果 / コメント
1 Notre Dame 8-1 2 W 10-5 North Carolina。連続で1位を撃破、頂点に帰還
2 Princeton 9-2 3 W 20-8 Penn。1位票獲得。全米最強の攻撃力で安定
3 North Carolina 10-2 1 L 10-5 Notre Dame。連勝がストップ。UVA戦で立て直しを期す
4 Richmond 11-1 4 W 23-7 St. Bonaventure。圧勝でリーグ戦を独走
5 Syracuse 10-3 6 W 14-9 Virginia。ACC戦で着実に白星を積み上げる
6 Cornell 7-3 7 W 9-7 Duke。NCAA出場圏を守る重要な一勝
7 Maryland 6-4 8 W 12-2 Rutgers。Hopkins戦に向け弾みをつけた
8 Virginia 7-5 9 L 14-9 Syracuse。JMAドームで最終クォーターを完封された
9 Harvard 9-2 5 L 15-9 Yale。IVY首位から陥落。Princeton戦で踏ん張れるか
10 Georgetown 6-4 13 W 17-7 Marquette。Rory Connorが7ゴール、兄弟でチームを牽引
11 Ohio State 9-3 14 W 7-6 Johns Hopkins。Caleb Fyockの好守でホームを守った
12 Yale 6-4 17 W 15-9 Harvard。IVY首位に浮上。CashionとPascalが躍動
13 Johns Hopkins 7-4 10 L 7-6 Ohio State。Homecoming Weekendの対Maryland戦が正念場
14 Army 9-3 15 W 14-9 Navy。Army-Navyシリーズ4連勝、1万5千人の前で
15 Duke 8-3 12 L 9-7 Cornell。3連敗でトーナメント出場が危うい状況に
16 Penn State 6-5 11 L 9-8 Michigan。26ターンオーバーで番狂わせを許す
17 Towson 8-3 16 W 21-5 Hampton。Ronan Fitzpatrick 5ゴール、リーグ6連勝
18 Loyola 8-4 20 W 16-7 Lafayette。4連勝でArmy戦に向け上昇気流
19 Rutgers 8-5 19 L 12-2 Maryland。Penn State戦で巻き返しを図る
20 Utah 8-3 圏外 W 9-8 Jacksonville。4点差から逆転、ASUN優位に立つ

※ 戦績・順位はKANE Media Poll発表時点(Week 10)

Next Week(4/19〜)注目カード

Notre Dame vs Duke|1位の試練、Durhamへ

Notre Dame @ Duke

ノースカロライナ州Durham(ESPNU中継、正午)

1位Notre DameがDukeのホームへ乗り込む。Dukeは3連敗中でNCAA出場も危ぶまれている。追い込まれた相手ほど怖い——Notre DameはESPNUの全米放送の前で、その緊張感を乗り越えられるか。

Maryland vs Johns Hopkins|第129回・The Rivalry Trophy

Maryland @ Johns Hopkins

メリーランド州Baltimore(ESPNU中継、午後2時)

第129回の対戦。Homecoming Weekend、満員のスタンドが待つ。2015年から設けられた「The Rivalry Trophy」—ボルチモアの廃材で作られた25ポンドのカニ—を懸けた試合だ。MarylandはJohn Tillmanコーチの下で2021年以降7勝2敗。Hopkinsにとっては名門復権を示す意地の一戦となる。

North Carolina vs Virginia|ACCの意地と再起

North Carolina @ Virginia

バージニア州Charlottesville(ACC Network中継、正午)

Notre Dameに敗れたNorth Carolina。次の相手は、今季Notre DameとDukeを連破したVirginiaだ。Jake Marekの守備、Terenziのリーダーシップ——Charlottesvilleは奇跡の続きを待っている。


1位を倒せるチームが、1位になる。Notre Dameはそれを2週続けてやってみせた。だが5月が来れば、すべてがリセットされる。今季これだけ1位が入れ替わったシーズンは、つまりそれだけ「倒せる可能性」を持つチームが多いということだ。Championship Weekendまで残り5週。順位表よりも、「その日、誰が最も強かったか」——それだけが、残る。

※本記事は Inside Lacrosse の記事を参考に作成しています。

Text by ラクロスマガジンジャパン編集部

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