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2025年のNCAAディビジョンI男子ラクロス。激闘のレギュラーシーズンを終え、選考委員会による18チームのトーナメント出場校の発表が間近に迫っている。選考の鍵となるのは、単なる戦績ではなく「誰と戦ってきたか」、そして「いつ負けたか」。
この記事では、注目のスケジュール強度(SoS)ランキングをはじめ、独自のシード予想とトーナメント展望をお届けする。
🔍 スケジュール強度(SoS)とは何か?
SoS(Strength of Schedule)=「スケジュール強度」は、対戦相手の強さや戦った試合の質を反映した指標。勝敗数と合わせて、**チームの本当の「道のりの厳しさ」**を測るもので、近年の選考ではRPI(ランキング指数)と同様に重要視されている。
2025年 SoSランキング上位10校(Lacrosse Reference調べ)
順位 | チーム名 |
---|---|
1位 | Maryland |
2位 | Syracuse |
3位 | Ohio State |
4位 | Notre Dame |
5位 | Penn State |
6位 | Duke |
7位 | UNC |
8位 | Harvard |
9位 | Princeton |
10位 | Cornell |
筆者によるシード予想(1〜8位)
1〜8位は1回戦ホーム開催権あり。敗戦数を重視する近年の傾向を前提に予測。
シード | チーム | 勝敗 | 評価ポイント |
---|---|---|---|
1位 | Cornell | 14-1 | 唯一の敗戦は延長での接戦。選考委員会の最新ランクでも評価高。 |
2位 | Maryland | 11-3 | SoSとRPIは全体1位。トータルで最強だが敗戦数でやや不利。 |
3位 | Princeton | 12-2 | Penn StateとDukeに勝利。敗戦も強豪相手。 |
4位 | Duke | 11-4 | ACC優勝ならこの位置。攻守のバランス◎。 |
5位 | Ohio State | 10-4 | Marylandを撃破。評価急上昇。 |
6位 | Penn state | 10-3 | Cornellに唯一勝利したが、それ以外の勝利が少ない。 |
7位 | Notre dame | 9-4 | RPI/SoSともに高め、安定の強豪。 |
8位 | Syracuse | 10-5 | Notre dameに2勝の実績。敗戦数が課題。 |
最後の出場枠争い:Army vs Harvard
- Harvard(10-4):RPI11位、SoS8位、Syracuseにアウェイで勝利
- Army(13-1):勝率は圧倒的だが、SoS・RPIともに劣勢
📌 予想 → Harvardが最後の1枠を勝ち取る
トーナメント展望:誰が全米を制するのか?
現時点での優勝候補を3つに絞ってみよう。
✅ 本命:Maryland
SoS・RPIともにトップ。完成度が高く、敗戦数を補って余りある。フィジカルと組織力で頭一つ抜ける。
✅ 対抗:Cornell
1敗のみ。IVY Leagueを制して流れに乗っている。歴代NCAAベストスコアラーのCJ Kirstの存在感は全米屈指。
✅ ダークホース:Ohio State
BIG10王者。終盤にかけて一気に評価を上げてきた。Upset(番狂わせ)の起爆剤になる可能性も。
アメリカの舞台で繰り広げられる、NCAA男子ラクロス最高峰のトーナメント。
各チームが積み重ねてきた戦績と、目に見えない「戦ってきた道のり」のすべてが、勝敗を超えたドラマを生み出します。
その一戦一戦には、技術、戦術、精神力が高度に融合した“本物のラクロス”が詰まっています。
この戦いの先に待つ「全米王者」の称号は、決して偶然の産物ではありません。
ぜひこのトーナメントを通じて、競技としてのラクロスの奥深さ、そして“ラクロスで戦うこと”の意味を、日本のファンの皆さんにも体感してほしいと思います。
Text by ラクロスマガジンジャパン編集部