Reportレポート

【イベントレポート】中四国地区ルール説明会

9月28日に中四国地区で女子競技のルール説明会が選手と地区審判員に向け開催されました。
当日は中四国地区の女子新人戦のサマーの試合の審判の様子を講師である喜嶋審判員にみていただき、中四国の現状(選手のプレー、コーチ・上回生の指導方法、審判のジャッジ)を共有。試合後には講習会を開催し、新ルールについてだけでなく、日ごろルールについて疑問に思っていること等を、質疑応答形式で対話し理解を深めました。

中四国地区ルール説明会

【イベント】中四国地区ルール説明会
【日程】9月28日(土)
【開催場所】もみの木森林公園 (新人戦サマーに合わせて開催)
【参加者】選手・コーチ・審判員

講師の喜嶋志穂子審判員のイベント後感想

今回の中四国地区の女子競技ルール勉強会はルール委員会として初の試みでした。ルール委員が在籍する関東・関西では講習会を開催しましたが、在籍地区外へ赴くことは初めてであり、大変貴重な経験ができました。

私は過去に審判員として何度か中四国地区を訪問したことがあります。中四国地区に行く度に感じることは、ラクロスに対するバイタリティとアットホームな雰囲気です。1日の移動距離が数百キロ。これは国土が広大なアメリカさながらです。国際大会に行ったときにアメリカ人審判員から聞く活動スタイルとほぼ同じです。そして宿泊を伴うラクロス活動。選手・コーチ・審判員・スタッフが声を掛け合える関係性にある。それは中四国地区の特徴であり、強みであると考えます。

ルール勉強会は質疑応答形式で進めました。2つの理由からです。
1つ目は「現場の人たちの声を大切にしたい」というルール委員会の思いからです。ルール委員会は理事会直轄の組織ですが、私たちの施策は現場に根差したものであるべきです。
2つ目は「ラクロスは自分たちで議論し発展させていくものだ」という考えからです。「トップの誰かが考える正解」に合わせるのではなく、各人が持つ様々な知見を共有し合うことがラクロスをより良いものに発展させる近道です。ルール委員会は現場の皆さんから出た様々な意見が交錯した際に、国内外の現場の情勢を踏まえた示唆をできる存在でありたいと考えています。

今回の勉強会では活発なディスカッションができました。私個人としても中四国の皆さんと話すことで、これまでになかった着眼点や発想を得られて大変勉強になりました。当初、中四国の皆さんは「自分の知識が間違っているのではないか」、「こんな発言をしてはいけないのではなか」、と自らに制限を設けているように見受けられました。しかし、中四国地区にとって必要なことは「自分の意見を皆と共有する」ことだと考えます。皆さんの意見はひとつひとつが肯定され、受け入れられるべきものです。他人と違うことは間違いではありません。隣の人と意見が異なったとき、「なぜそう考えるのか」という思考のプロセスに着目すると、より深くラクロスを楽しめるようになると思います。次回、中四国地区に訪問する際、たくさんの人たちが現場でディスカッションしている姿を目にすることを楽しみにしています。

ルール委員会女子競技委員長 喜嶋志穂子

参加した選手の感想:愛媛大学 庄屋 有希

私は今回の講習会に参加させていただき、新ルールだけでなく今までのルールに対してもより理解を深めることができました。ファウルの基準が難しいと感じていたブロッキングについては、相手選手にミートに行かれた時には相手が振り返るのに十分な空間が必要であり、相手のクリアの勢いを止めるために自チームで行っていたキャッチ時のプレッシャーがブロッキングであることに驚きました。新ルールのセルフスタートについても周りが4m離れていなくても笛より先に始める選択ができること、その際4m以内にいるDFはボールマンが通り過ぎるまで動いてはいけないことを知り、ルールを知っているかどうかでATは有利な状況を作ることができると感じました。また、審判さんとプレーヤーそれぞれの目線で意見を交換する場もありルールについての理解をより深めることができとても貴重な経験となりました。中でもレッドカードが出る場面についての話を聞くことができ、相手を傷付ける以外にも故意のファウルというのは状況によってはカード対象ということにも驚きました。講習会で学んだことを自チームでも共有して、いい試合だったと誰もが思えるようなプレーで私たち自身もよりラクロスを楽しんでいきたいです。

参加した審判員の感想:中村 奈津子

今回のルール説明会は、質疑応答のスタイルで行われた。会の内容は、女子競技としてのラクロスの理解から始まり、「セルフスタート」、「フリースペーストゥゴールの侵害」、「リーチアクロスザボディ」、「ハイドクロス」が中心。最初は受講者側に硬さがあったが、喜嶋さんに意見を引き出して頂いて、どんどん会が活発化していった。デモプレーを行いながら、受講者側も意見を出し合い、ルールブックの文章だけではイメージできていなかった事が、どんどんと頭の中に湧き上がってきた。驚きと共に、ワクワクする、そんな感情さえ覚えた。
今まで審判員の中でもプレーについてたくさん話してきたが、この日の“話し合い”は、中四国地区にとって新鮮というより、むしろ衝撃だった。審判資格の有無に関わらず、自分たちの考えや意見を出していく。出てきたそれぞれの考えや意見が、自分たちの疑問解決に繋がっていった。『自分たちの中に答えがある』非常に大切なことに気付かされた。凝り固まった頭がみるみるうちに解きほぐされる、そんな感覚にさえ近かった。今回のルール説明会で、ルールに関する知識はもちろん、自分たちの中に疑問解決のヒントがあるという実体験が非常に大きな収穫であった。今後、地区内で“話し合い”の場を活用し、審判員だけではなく、競技レベルを更に発展させたい、発展させることができる、そう思った。


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