Columnコラム

【Inside JLA】2024FPJお祭り騒ぎを巻き起こそう〜第4弾〜

FPJとは、フレッシュマンプロジェクトの頭文字で、エフピージェイと読みます。

1998年より開始した公益社団法人日本ラクロス協会(以下、JLA)の事業で、新入生勧誘活動の促進・ノウハウの蓄積をするために、全国の学生連盟・事務局・指導者・加盟大学が連携を取る組織横断的なプロジェクトです。

2024FPJは、「みんなでお祭り騒ぎを巻き起こそう」を合言葉に活動しています。

本コーナーでは、2024FPJの活動を4回に分け連載でお伝えします。

全国FPJ会議で講師をしている國松さん

國松さんの講義を聞く各地区FPJ代表

第4回 新入生と対等な立場で接する


2024FPJでは、7地区すべてで新勧担当と主将に向けてFPJ講習会を行っています。講師はFPJスペシャリストの國松拓実さんが務めます。FPJスペシャリストになるまでのいきさつと、講習会ではどんな内容を伝えているのか聞きました。


新勧がもともと好きだった

各地区のFPJ講習会で使われる教材は、國松拓実さんが作成したものです。

全国のFPJ講習会で使われるスライドのなかにある「新歓5つのフェーズ」が書かれたページ

「もともと新勧が好きだったんです」

國松さんは神戸大学ラクロス部に所属していたときから、自宅に新入生をたくさん呼んで鍋をするのが好きだったと言います。ラクロス部のイベントとしても開催していましたが、國松さん独自でも鍋パーティーを行っていたそうです。

新勧リーダーだったからですかと聞くと、「新勧リーダーでもなかったです」と返ってきました。新勧担当でもないのに自主的に新勧をするなんて、本当に新勧が好きだったのだと分かります。

新入生のやりたいことを引き出す

新勧の何が好きかというと、「新入生のやりたいことを引き出して、新入生にそれを実現させることだ」と國松さんは言います。

新入生のやりたいことを引き出し実現することを1番の目的として接していたし、その手段の1つとして「ラクロス」の環境には確固たる自信があったので、新入生にそう伝えてきました。

「新入生自身で理想の大学生活を描いて、これからの大学生活にワクワクする状態を作り出すのは楽しかったし、その中でラクロス部に入ると言われたら、とても嬉しかったです」

人が動いてくれないという悩み

FPJ本部からの依頼で2023FPJからFPJスペシャリストとして関わるようになりましたが、その前から國松さんはSNSで新勧について発信していました。

大学生のときに自分が実践していた新勧を言語化し発信するようになったのは、母校神戸大学でコーチを経験してからです。

「 (部員が)動いてくれない」という悩みは主将も新勧リーダーも同じだ、と気づき、自分の持つノウハウを伝える必要性を感じました。更に、この悩みは、どの大学でも当てはまることだと気づいたことがSNSで発信するきっかけでした。

新勧の本質は「チームを作り変えること」

「新勧って、みんな初めてやるものだから安直に考えることが多い」と國松さんは指摘します。だから、各地区で行うFPJ講習では「新勧の本質」を伝えていこうとしています。

新勧の本質とは、「チームを作り変えること」です。

主将や新勧リーダーが持つ「人が動いてくれない」という悩みは、いずれチームメイトに対する「なんで動いてくれないの?」という批判になります。「人が動いてくれない」と感じたとき、批判するのではなく、「人が動かない理由」を理解し、そこから「この人が動くにはどうすればいいか」という方法を考えることが解決への道です。

國松さんが大学生のときの新勧で「新入生がやりたいと思っていることを実現させるにはどうすればいいか?」を考えてきたことは、「この人が動くにはどうすればいいか」を考えることと通じています。

チーム作りは魅力づくり

新勧がうまくいかない例として、チーム作りと新勧を別物にするという点があると國松さんは指摘します。

國松さん作成スライド「フェーズ⑤」

別物と考えるので、「自分たちが理想とするチーム」と「新入生に伝えたいチームの魅力」を分けてしまい、ちぐはぐしてうまくいかなくなるのです。

もし、新入生に伝えるための「ラクロス部の魅力」が実際のチームとかけ離れているものならば、4月までにチームを作り変え、チームの魅力を大きくすればいいんです。

今の状態がどうであるかに関わらず、部員も新入生も「こうなったらいいな」という未来に動機付けされます。そういう意味ではどのチームでも今この時点から理想のチームになれると思っています。

対等・ありのまま・尊敬

魅力的なチームに作り変えたあとでも、入学式で新入生を前になかなか声を掛けられない人もいるのかなと思うのですが、と問うと、

「コミュニケーション能力のあるなしは新勧に関係ないと思っています。新入生と関わるうえで重要なのは能力ではなくスタンスなので。そのスタンスはチームを作り変えるという行程を踏んでいれば誰でもちゃんと身に付くものなのです」

と、國松さんはきっぱりと答えます。

國松さんは大学生のとき、毎年一人で6~7人新入生を入部させてきました。それができたのは、新入生に「対等」な態度で接したからだと言います。

対等というのは、新入生からすると「先輩から声を掛けられた」と身構えさせないことだし、在校生からすると「新入生をお客様扱いしない」ということです。友達・仲間として対等に接するのです。

新入生への態度としては、「対等」のほかに、「ありのまま」「(相手への)尊敬」が大事だと言います。この3つの態度を意識したなかで新入生と接するので、新入生に「ラクロス」の魅力が伝わります。取り繕って上手く言ってやろう、などと思わなくていいので、引っ込み思案であろうが、どんな言葉がいいか分からなかろうが、ちゃんと伝えることができるのです。

そして、「対等」「ありのまま」「尊敬」は新入生だけではなく、どの人間関係でも必要な態度です。

國松さんが新勧を好きだったのは、その子にとっての最高の大学生活を引き出すことができて、なおかつその実現手段として自分が最も適した環境だと考えているラクロスに動機付けできるまたとない機会だからです。

チームを魅力的に作り変えれば、あとは新入生にその魅力を伝えるだけです。大学内で一番魅力的なチーム(部やサークル)になって、集まった新入生とこれから始まる楽しい4年間について語り合ってくださいね。

関西地区主将会でFPJ講習をする國松さん

以上で、『2024FPJお祭り騒ぎを巻き起こそう』全4回を終了します。

Text by 日本ラクロス協会広報部 岡村由紀子

前回の記事はこちら

第1回 なぜ「お祭り騒ぎ」が必要か?

第2回 お祭り騒ぎの準備~中四国地区のFPJ合宿がすごい~

第3回 チームを作り直すチャンス

 

 

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